ノーマルの500Lと、パワーアップした
G-Techバージョンの乗り比べ

イタリアで乗った500Lと、今回試乗した500L。

主な違いはG-Techパワーキットが付いているか、いないか。
それは言葉で書くとたった1行のことですが、乗ってみた印象は大きく違うものでした。

イタリアで運転した500Lはジェノバ市街地~アウトストラーダ~トリノまでの道のりを運転しましたが、高速道路主体だったこともあり、合流などでグっと加速したい時、エンジンパワーがボディの重さにやや負けている印象でした。

その素の状態の500Lと比較して、今回のG-Techによるパワーアップがどれほど体感できたかについても触れたいと思います。
ディーゼルエンジンに関して
スペックを確認してみましょう。
どちらも搭載エンジンは1.3MTJコモンレール式ディーゼルターボで、ウイングオートが販売するモデルには5速Dualogicが組み合わされます。イタリアで運転した500Lは5速MTの組み合わせでした。ディーゼルエンジンの特徴と言えば、下からのトルクがあること、エンジン音がやや大きめであること、燃費がよく、燃料が軽油で済むということです。
ディーゼルエンジンの特徴と言えば、下からのトルクがあること、エンジン音がやや大きめであること、燃費がよく、燃料が軽油で済むということです。

500Lの場合、1,315kgのボディに対して85馬力の出力です。私たちが慣れ親しんだコンパクトFIAT500はTwinAirモデルの場合、1,010kgのボディに対して85馬力の出力ですので、比較すると500Lは約300kg重いボディを同じ馬力で引っ張らなければなりません。

実際には最大トルクがコンパクト500の14.8kgfに対して20.3kgfなので、実用域では必要十分ではあるのですが、それでもこれまでの500のイメージで比較してしまうと走り始めの動きが若干重たく、いわゆるイメージする「イタリア車」に乗った時に感じるの独特の躍動感は薄めでした。(イタリアの道路を運転することの緊張もあって楽しむ余裕が無かったとも言えますが。)

遮音対策はしっかりなされており、車内に入ってくるディーゼル特有のトラックのようなエンジン音は気にならないレベルで、意外に静かだったのは好印象でした。

G-Techパワーアップキットで走りが劇的に向上
そういった印象があったので、今回の試乗は正直あまり走りの面では期待していなかったのですが、G-techパワーアップキットを装備した500Lはもう全くの別物に生まれ変わっていました。

G-Tech RS105 OFFROADというネーミングから想像できるように、ノーマルの85馬力に対して105馬力に引き上げられています。非常によく走り、高速道路や登坂路など、さまざまな運転の局面でもグイグイと1315kgのボディを引っ張っていきます。
エンジンも軽々と吹け上がり、あれ?別物ですか?ってくらい違うフィーリングにビックリしました。

走っていて楽しい。まさにイタリア車とはこうあるべき!というセッティングです。
ガソリン車であるTwinAir以上のパワースペックをディーゼルエンジンで実現できたということは、ランニングコストの面でもメリットがあります。ディーゼルならではの燃費の良さと、軽油の単価の安さは消費税も上がった今の時代に非常に魅力的に映ります。
広い車内空間
500Lの「L」は"Large" "Lightness" "Loft"などの意味が込められており、私たちがこれまで親しんできた500のイメージからはかけ離れて、見た目の印象はかなり大きく感じます。実際、ボディサイズは、全長4,147mm(TREKKING 4,270mm)、全幅1,784mm(TREKKING 1,800mm)、全高1,658mm(TREKKING 1,679mm)となっていて、ハッチバックの「500」にくらべて、約600mm長く、160mm広く、150mm高くなっています。車内は500という名前からは想像できないほどの広さがあります。
後席をいちばん前までスライドさせた状態で、およそ400L。
シートバックを倒せば最大1,310Lの広大な空間が確保できるので、ファミリーカーとしての使い勝手は抜群です。
先日車のイベントで見た家族連れが500Lを普通に道具として使っていた光景を見て、今後は趣味だけの存在では無い、実用レベルでイタリアのプロダクトが増えていくことを期待しました。
ちなみにイタリアで「L」は「エッッレ」とちょっとセクシーな口調で発音され、それだけでなんだかお洒落に聴こえます。なので、私たちも「ごひゃくえる」では無く、ちょっと気取って「ごひゃくえっっれ」と呼ぶようにしましょう。
大きすぎず、小さすぎずのサイズ感
先ほどサイズに触れましたが、運転する上でもこれは重要なポイントです。全幅が1800mm以内ということで、駐車するとき、また狭い路地などをすれ違う時もギリギリ扱いやすいサイズになっていますし、アイポイントが高いのも運転のし易さに繋がります。

しかもこのモデルは左ハンドルでありながらデュアロジックというロボタイズドATですので、奥様にも乗れるし、旦那様はMTモードで積極的に走ることもできます。しかもまだ日本では希少車両ということで、話のネタとしても良いし、ちょっと威張れますよね。これ1台でオシャレなファミリーカーとして大活躍すること間違いありません。
写真はトレッキング仕様なので、車高が高く、リアゲートにスカッフプレートが付いていて、クロスオーバー的な1台に仕上がっています。仲間で、家族で、河原でBBQ、なんてことも楽しそうですね。
ディーゼルエンジンに関して
スペックを確認してみましょう。
どちらも搭載エンジンは1.3MTJコモンレール式ディーゼルターボで、ウイングオートが販売するモデルには5速Dualogicが組み合わされます。イタリアで運転した500Lは5速MTの組み合わせでした。

ディーゼルエンジンの特徴と言えば、下からのトルクがあること、エンジン音がやや大きめであること、燃費がよく、燃料が軽油で済むということです。
フォトセッション
ちょうどイタリアでドライブした500Lも白いボディ色でしたので、スパイショットではない正しい姿はイタリアでの写真をご覧ください。
written by カーくる編集部